悪魔の酒「アブサン」の話 in Bar Tram (バー トラム)- 恵比寿

「アブさんってだれ!?」

と騒ぐ同行者をスルーして、僕らはまだまだ人で賑わう金曜日の恵比寿を歩いていた。
向かう先はアブサン専門店の Bar Tram(バートラム)だ。

魔酒 アブサン

実はこのアブサンと言うリキュールは悪魔の酒とも言われている。フランス、スイス、チェコ、スペインを中心にヨーロッパ各国で作られている薬草系のリキュールだ。主成分はニガヨモギ。そして、アブサンは実は一度生産中止になった歴史がある。

1792年にスイス人医師のピエール・オーディナーレ氏が独自の製法で発明したいと言われているアブサンは元々は薬として発明されたようだ。
ニガヨモギに含まれる精油成分「ツヨン(ツジョン)」に幻覚を見せたりする向精神作用があると言うのも、元々は薬と言われるとうなづける。

アルコール度数は70度くらい。これだけ強いお酒なのに愛好家はロックやストレートでいただくこともある。

安くて飲めるお酒。そして、幻覚作用があって安くて簡単にキメられる。とにかくアブサンはフランスをはじめヨーロッパで大流行した。お陰でヨーロッパではワインの売上がガクッと落ちたと言われている。
20世紀初頭にはスイス・ドイツ・アメリカなどでアブサンの製造・流通・販売は禁止された。麻痺、痙攣、幻覚、昏睡や自殺衝動(いわゆるアブサン中毒の症状)が原因と言われているが、これはまぁよくよく考えると普通のアルコール中毒と同じ症状のような気もする。
一説には、ワインの売上が下がった事によるワイン業界からの圧力なんて言う陰謀論ネットでは見ることもできた。
現在ではツジョン残存許容量に指定はあるものの、どの国でも飲む事が可能。だが、やはり強いお酒には変わりはない。

そんな幻覚を見せるかもしれないアブサンと言うお酒にハマった有名人や芸術家は非常に多く、アブサンはゴッホ、ピカソ、モネ、ロートレックといった偉大な芸術家達が愛飲していたとうことなので、アブサンは彼らの芸術家としての感性をうまいこと引き出してくれたのかもしれない。

アブサンの飲み方

度数が70度近いアブサンはストレートもロックも実に美味しい。実際僕もストレートでもちびっとだけ飲んでみて美味しかったし、ロックだってもちろん美味しくて二杯も飲んでしまった。
酔っ払うが、これはハマってしまうかもしれないやばいお酒だとロックを飲んだ時は強く感じた。

だが、もっともアブサンらしい飲み方はフォンテーヌ(Fontaines à absinthe)を使った飲み方だ。

アブサン専用のスプーンをグラスの上に乗せ、その上に角砂糖を置いてフォンティーヌの蛇口をひねって水を一滴ずつ(ドリップ)ゆっくりと垂らしていく。

緑色だったアブサンは水が加わることで白濁していくのが見ていて面白い。
「ウーゾ効果」と呼ばれるこの色の変化はアブサンに水がまざることで、アブサンの持つエッセンシャルオイル成分がアルコールから水に溶け出して乳化することでおこる。

この色の変化もアブサンの大きな魅力の一つだ。

アブサンの味わい

味わいはとても独特だ。
爽かな香りとしっかりとした甘み。そして強い苦味とハーブの強い風味が感じられる。
スーっと口の中に広がっていく爽快感と、独特の苦味はまさしく癖になる味わいだ。

もちろんアブサンを使ったカクテルも楽しめる。ロック。ストレート。水割り。カクテルと多くの楽しみ方が出来るアブサンの魅力がもっともっと知りたいと思ってしまった。

悪魔の酒。アブサンに僕はもうすっかり魅せられてしまったのかもしれない。

 

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