すし良月(あきら)で若き大将が握る鮨を食べた話

美味しかった。
28歳で有名店から独立して寿司屋を開業した大将の「美味しいところだけ提供したい」という心意気と思いがガッツリ感じられた3時間30分の美味しくて楽しい時間はあっという間に過ぎ去っていったんだ。

有名店「鮨 心白」の跡地にできた「すし良月」

僕もそれなりに流行ってるお店とかはチェックしてる方だと思うんだけど、それでも僕より情報の感度が高い人ってのもやっぱりいて。
そんな方に「行こうよ」と誘われて二つ返事で行くことにしたのがこちらのお店なんだ。
僕はこのお店のことは全く知らなかった。2019年の11月にオープンして、まだ3ヵ月。既に一部では噂になっていたのはあの西麻布にある「すし匠まさ」から独立したというのもあるみたい。
場所は恵比寿にある「鮨 心白」の居抜きだ。ちなみに心白は恵比寿の4丁目に移転したね。こちらもなかなか予約が取れないお店で行ってみたいな。

コースは18000円のお任せのみ。今は一回転のみ

席数は8席。今は一日一回転だけみたいで、同じ時間にスタートするヨーイドンスタイルじゃないから予約時間はある程度柔軟に対応してもらえるよ。
3月はまだ少し席に空きがあるみたいなこと言ってたけど、座席数も少ないから直ぐに埋まっちゃうかもしれないね。
ちなみにお酒は日本酒を飲むことに。大将のお任せで、無くなったら適当に次を出してもらうスタイルでお願いしたよ。

先ずはつまみからスタート

すし良月は最初につまみが出てくるスタイルのお店だね。

塩とワサビと煮切り醤油がセットされて、日本酒を飲みながら料理を待つよ。ワサビはうっかりそのままひとつまみ分口に運んでみたけど美味しいワサビ。

アワビと明石のタイの食べ比べ

先ずいきなりアワビからスタート。
柔らかいし旨味が強い。そしてわさびによくあうアワビだったよ。

面白いのは明石のタイ。3切れ提供されたんだけど、手前二切れが朝〆のタイ。奥の1切れが1日寝かせたタイだったんだ。
やっぱり味の違いが謙虚に出て面白いね。1日寝かせたタイはまだ熟成しているとは言えず、ちょっとだけねっとり感が出つつもまだコリコリした食感も少し残っているようなお刺身だったよ。

今日イチで好きだったのがいちご煮風の雲丹

雲丹は実は火が通っているものの方が好きなのかもしれない。ってウニ沼さんとまで言われているほど雲丹好きな僕が気づかされっちゃったかっもしれないこの一品。

アワビの出汁の旨味と香り。そして雲丹の甘みがしっかり伝わってくるんだ。
そもそもいちご煮が大好きだからね。これは最高に雲丹の旨味が引き出されてたな。なんか序盤でいきなりラスボスきたじゃん!くらいのインパクトだよ。

車海老はかなり大きめのものを

エビは大好きだけど生エビアレルギー。火が通っていれば大丈夫。ってことでいただきました。

ジューシーな味わいでとっても美味。
新鮮な緑の卵は使わないのね。逆にすごいなー。

あん肝は過去最高に美味しかった

僕のあん肝美味しかったランキングを見事に更新してくれたのがこのあん肝。
そもそも「え!?そんなトリミングしちゃうの?まじで!?」ってくらい端っこをトリミングしまくり。

大将曰く「一番美味しいところを出したいから」とのこと。
これが今まで味わったことがないくらい濃厚で優しい旨味。ちょっと強めかなと思った「振りゆず」も食べてみるととてもいい感じ。
作り方まで丁寧に教えてくれた。(ここには書けないけど、緻密な温度管理が素晴らしい)
冷めていく過程でゆっくり味が染み込んでいくのが美味しさの秘訣みたいだね。
きめ細くて繊細でいて濃厚。そして優しい味わいのあん肝はまだ寒い時期なら食べれると思うから、あん肝好きな人にはぜひ食べて欲しい一品だよ。

メジマグロの焼き霜つくりと、漬けにした平貝

メジマグロ(本鮪の子供だよ)の焼き霜造りはスッキリした味わいでいくらでも食べれそうな味わい。それでいて絶妙な甘さがしっかりあって余韻には藁焼きの藁の香りが漂う味わいの変化が楽しめる一品。

漬けにした平貝はシャキシャキっとしていて口の中でほろっとばらける平貝らしい独特の食感。
平貝がもつ特有の苦味の旨さがしっかり感じられる一品だね。
しかしこのトリミングで出てくるのは凄いなぁ。

焼き魚しっとりとした金目鯛

握りの前の焼き魚は金目鯛だよ。

皮目はパリッと。身はしっとりとジューシーな美味しい金目鯛。
こちらももちろん「美味しいところだけ」がコンセプトな切り方だね。

いよいよ握りに突入!

8品のツマミをいただいて、いよいよ握りに突入するんだ。ここでおもむろに置かれたガリ。

日本酒にも合うけど、シャンパンにもよく合いそうな厚目の食感がしっかり目のガリだったよ。

先ずはマグロが3貫

下田の140キロのマグロの中トロから始まるお寿司。
ちなみにシャリは少し赤酢と米酢がミックスされたような(聞いたわけじゃないけど)シャリだけど、酢の感じは強くない感じだったよ。

中トロは口の中でブワーッと旨味が広がる感じ。
そしてメジマグロのハラス。
脂が乗りまくってて甘みがあって美味い。ほんの少しシャリが口に残ったけど、全然OKだ。
赤身は繊細な舌触りがしっかり感じられて旨味がしっかり。
最初のマグロの食べ比べは面白いね。

隠し包丁がすんごいイカ

イカ。これは美味しかったなぁ。
そして、白いからなかなか上手く写真に撮れない(笑)

皮目の方から45度に隠し包丁を入れて、さらに垂直に包丁を入れて細切りにしているんだって。イカの凝縮された旨味が口の中に広がって、イカ特有の旨味が爆発。なんかすごいんだよね。
口の中がイカ!

越前蟹の蒸し寿司

ここでこれくるか!となった蒸し寿司は豪華に越前蟹で。
ご存知、越前蟹は福井県で水揚げされたズワイガニの雄。やっぱり身は雄の方が美味しいし、蟹の最上級ブランドの一つだね。

濃厚な旨味。これは間違いなく美味しい一品。
ものすごい速さで無くなっちゃったよ(笑)
越前蟹の旬の時期に行けたのはラッキーだったとしか言いようがない。そんな美味しい蒸し寿司だったんだ。

サヨリ。タイ。ハガツオ。

ここで白身系が中心に。
咀嚼するとサクッとした食感。そして美味しいサヨリ。
3日間寝かせた明石のタイ。まだ多少残るプリプリ感と少しこう・・・奥の方から出てきた熟成感の真ん中くらいのバランスが面白い。

ハガツオ(別名サバガツオ)はめっちゃ鮮度がいいんだろうな。独特の甘みと旨味が感じられてとっても美味しい。
今まで食べたフレッシュなハガツオで一番美味しかった。

炭火で焼いた鯖寿し

寿司の中では今日イチでお気に入りなのがこちらの鯖寿司。
コースの中にしっかり蒸し寿司や焼き寿司も入れてくるのがこちらの大将のすんごいところだね。

柚子の風味と、焼いた鯖の香ばしさと旨味と甘みが見事に調和した一品でこれは抜群に美味しかったな。
お代わりしたい。お代わりしたい。お代わりしたい。

コハダ

そしてこのタイミングで出てきたコハダ。

江戸前寿司の代名詞であるコハダはとってもバランスがよくていい意味で特徴がない正統派だったんだ。
美味しい。

トロたく・エビ・アナゴで満足のフィニッシュ

トロたくはマグロの叩きと沢庵に赤玉ねぎで食感がいい感じ。
車海老はさっきとはまた違う味わい。エビってやっぱり美味しい。

そしてアナゴはかなりツメが甘めで余韻もしっかり甘いんだけど、シュワっととろけるようなタイプのアナゴで面白い味わいだったよ。

茶碗蒸し

茶碗蒸しは出汁を味わう料理って言うことがよくわかるような茶碗蒸し。

卵と出汁の美味しさをがっつり感じられるんだ。

最後に雲丹を追加で

追加はありますか?でオーダーしたのが生うにだったんだ。

そういえば、雲丹は蒸したの食べたけど、生は食べていなかったからね。
うん。しっかり美味しいな。そういえば最近はほとんどのお寿司屋さんで雲丹に海苔は巻かなくなったけど、雲丹の繊細な風味が海苔の強い旨味にかき消されちゃうからね。当然といえば当然なのかもしれない。

恵比寿 すし良月

恵比寿の心白の跡地にできたこちらのお店。
すでに予約も結構入るようになってきていて、カウンター8席の1日1回転。
すぐに予約困難店になってしまいそうだよね。
熟成はもちろん、蒸し寿司や焼き寿司をコースの中に取り入れたりして、新しいことにも果敢に挑戦する若き大将の今後の活躍はすごい期待だね。
お寿司好きな人には是非一度行ってみてもらいたいお店だよ。

すし 良月
050-3390-0121
東京都渋谷区恵比寿2-37-8 グランデュオ広尾 1F

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