魯山人の精神が受け継がれている紀尾井町 福田家の話

「料理は自然を素材にし、人間の一番原始的な本能を充たしながら、その技術をほとんど芸術にまで高めている。」
魯山人の名言だ。
僕はこの言葉がすごい好きで、「料理」というものを最もよく表していると思う。
一流の料理人と言われる方々の料理はまさに芸術といっても過言ではないのだ。

魯山人の精神が受け継がれている福田家

そんな北大路魯山人の精神が受け継がれている格式たかいお店が紀尾井町にある福田家だ。
料理はもちろんのこと、調度品や部屋の設、掛け軸や置物、接待といったあらゆる部分も含めて魯山人は料理と言った。
そして、五感を総動員して味と美の調和を楽しむ。
そんな魯山人が愛したという、伝統ある老舗の料亭が紀尾井町にある福田家なんだ。
店内には魯山人にゆかりのある品々はもちろん、魯山人の器も多数あってしれっと出てくる器が魯山人だったりしてもう絶対に落としたり割ったりできない緊張感も多少あるんだけど、それでもやっぱり特別感を持って食事をや文化を楽しむことができるのが福田家なんだ。
ミシュラン二つ星、政治家や大企業の重役の接待に使われることも多いお店だけど、驚くほどの高級店というわけではないし、伺ってみるとそこまで敷居が高いわけではないので、気になっている人は気軽に予約を取ってみるといいかも。

25000円のコース料理

この日オーダーしたのは25,000円のコース料理。
ちなみにコースは20000円からあるので、思ったよりもリーズナブル。
まずは初夏らしい爽やかな一品から。
すくい湯場、アボガド、くるみ、海老。クリーミーな香ばしさがとても美味。

赤ナスと山形牛のイチボ。餡がけ。

当たり前のようにイチボは柔らかくて旨味があって美味しいし、夏野菜の赤ナスでさっぱりと楽しめる初夏の味わいが感じられる一品。

アイナメの葛たたき。はお吸い物で。
ゆずの花とハスイモの茎、アイナメの皮は唐揚げにしていただく手の込んだ一品。

お造りは全て魯山人の器で

ここで出てきたのが魯山人の器。
面白いのがオリーブオイルが出てきたところ。でもこのオリーブオイル。小豆島の澳オリーブ(オキオリーブ)というかなりのこだわりのオリーブオイルを使用。
塩は長野県にある塩水の湧泉から採取される大鹿村の山塩。

ハタは塩をつけてオリーブオイルで。
和歌山のケンケンカツオ(一本釣りの登りがつお)は自家製のポン酢で。
もちろんどちらも驚くほど美味だ。

旬の鮎はシンプルに

伺った時期は6月末。
今がまさに旬の稚鮎はシンプルに。

もちろん美味。
頭からいただくと、濃厚な苦味から旨味に変わっていく感じとかがたまらないやつ。

ウニの一品は至福の一品

将来は日本雲丹協会でも作ってやろうくらい考えている雲丹好きな僕としては、今日一のお気に入りはこの一品。
紫ウニの上にトロロが乗っていて、四万十海苔。そして下にはお米が敷き詰められていてリゾット風になっていてとっても美味。

これはいいよね。うん。
ちなみに雲丹。もちろん生雲丹は大好きなんだけど、火を通した雲丹がとても好きなんだ。
僕の田舎の岩手県宮古市には焼きうにと言う郷土料理があって、実際には鮑の貝殻にウニを詰め込んで蒸し焼くような感じで作られるんだけど、僕はこれが好きすぎて子供の頃から一番の好物なんだよね。

すっぽんの春巻き

盛岡の温泉で育ったスッポンのお肉を春巻きで。

あっつあつ。サックサク。うっまうま。
脂がいい感じでとっても美味しくて、出汁の旨味がジュワッと出てくる感じが美味しいのだ。

鱶鰭と白甘鯛

枝豆と鼈甲餡(べっこうあん)がかかっていて、蓮の実が散っている。
全てを一緒に食べると口の中で旨味が広がってめちゃくちゃ味わい深い旨味が広がるのだ。

そこはかなとなく中華な味わいが感じられつつ、しっかり和食な美味しい一皿。

お口直しの蓴菜 日本酒は賀茂鶴

お口直しで蓴菜とキュウイフルーツと言う意外な組み合わせが、殊の外美味しい!

ちなみに福田家さん。
日本酒は賀茂鶴を。福田家さんでは、昔から日本酒は賀茂鶴を使っていると言う事。
確かに美味しい。そして、一般には売っていないのかな。ネットで探しても、この日飲んだ辛口吟醸は売っていなかったよ。

〆はトキシラズの炊き込みご飯

土鍋の炊き込みご飯はトキシラズ。たっぷり入っていて、とっても美味。

もちろんお代わりもできるので何度かおかわりをしてしまったほど。
お味噌汁もお漬物ももちろん美味しくて、お腹もいっぱいで大満足の食事だった。

紀尾井町 福田家

紀尾井町にある福田家は老舗の料亭。
政治家がよく利用するようなザ料亭を絵に描いたような感じのお店だから、とっても格式高いイメージがあったんだけど、実際に行ってみると僕みたいな普通の人でもとっても美味しく楽しい時間を過ごせたんだ。
そして、確かに安いわけではないけど思ったよりもリーズナブルな金額で楽しむことができたんだ。
一度は料亭気分を味わってみたい人にはとってもおすすめのお店だし、ちょっとした記念日に行ってみるといいかもしれないね。

紀尾井町 福田家
03-3261-8577
東京都千代田区紀尾井町1-13
https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130803/13196266/

関連記事

  1. ヴィノーブル (VINOBLE)のテイクアウトが美味しすぎる話

  2. 赤坂の思食(おぼしめし)で食べたヒレカツサンドと秋の食材の話

  3. 赤坂焼肉うしやで食べた上生タン塩の話

  4. 赤坂とゝや魚新 (ととや うおしん)で食べた日本料理の話

  5. 赤坂の焼肉KINTANで牛タンのランチを食べた話

  6. 深夜に食べた天下一品のこってりラーメンの話

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


About Author

  1. 本当にオススメのお寿司屋さんを厳選してご紹介

    2020.03.06

  2. 本当にオススメの2019ベストレストラン22店舗をご紹介

    2020.02.23

  3. マツコ&有吉かりそめ天国の焼肉ガチランキングでランキングの…

    2019.03.07