会員制になった「鮨さいとう」で江戸前鮨を味わった話

僕は鮨さいとうが六本木に移転する前、赤坂にあった頃(鮨かねさか)に食べことはあったんだけど、それも遥か昔の話。

会員制になった鮨さいとう

鮨さいとうが会員制になったという話を聞いて、実はもうちょっと行くのを諦めかけていたんだけど、ちょっとした偶然と出会いがあって運よく行くことができたんだ。
そう。明確に会員権のようなものはないけど、新規の予約の受け付けを止めてしまった鮨さいとうは常連の人に連れて行ってもらう以外で予約が取れなくなってしまったんだ。
ちなみに、連れて行ってもらった人が新規で予約を取ることも難しいよ。
(幸い、僕は結構なレアケースで色々とあって次回の予約を取らせてもらった)
12年連続でミシュランの三ツ星を取得している日本を代表するお鮨屋さんの鮨さいとうは、会員制になったことでミシュランも2020年から返上。
間違いなく日本でもっとも予約が取りづらいお店の一つと言えるお店になってしまったんだよね。

鮨さいとうのつまみ

王道の江戸前鮨を提供するさいとうは最初につまみが一通り出てきてあとから握りが出てくるスタイルなんだ。

どれも間違いなく絶品の一言だ。
ちなみに僕は寿司屋を経営しているんだけど、だからこそ分かることもあってどれも素材ごとにしっかりとした仕事がしてあって妥協がない。
それでいてそんなツマミを当たり前のように出してくるんだ。
鮨の方にも言えることだけど、トリッキーなことはしない。あくまで王道。でも、美味。
そして、瞬間風速的に爆発するような美味しさというよりはどれも安定して抜群に美味しいという感じだ。

鮨さいとうの握り

おつまみが終わると、お待ちかねの握り。ここからはすごかった。
ちなみに鮨さいとうはツケ場が二つあって、さいとうさんが握ってくる方のツケ場に座ることができた。
色々なお客さんと談笑をしながら、時にアルコールを飲みながら楽しく握ってくれる感じがまたいい感じにリラックスできる空間を作り出していたりもする。

どれも本当に美味しかったけど、コハダは適度な甘みがあって爽やかな風味が感じられる素晴らしい一品だったんだよね。
この独特のかすかな甘みはどうやって出てくるんだろう。
そして、特にマグロの3貫は絶品だった。きめ細かく美しい舌触りの赤身。脂がしっかりと乗って口の中で素晴らしい一体感が感じられた中トロは何貫でも食べれそうなほどだ。
また、車海老は中に味噌の旨味が詰まっていて、口に入れると口の中が優しくも濃厚で芳醇な海老の旨味で包まれる幸せな一貫。
どれも美味しいんだけど、つまみの時にも感じたように、王道かつ美味しいんだよね。最近の寿司屋にありがちな派手さは無い。けど、抜群に美味いっていう一番難しい感じ。
だからこそ人気なんだろうなって改めて感じたんだ。

鮨さいとう

そもそも江戸前鮨とは?っていう話になっちゃうんだけど、江戸時代、屋台で立ち食いで食べる感じだった鮨が座って食べるようになったのは以外にもここ100年くらいのこと。
かつてのカジュアルフードはいつの間にか高級食へと変化していった。
そして今、都内を中心に。いや、世界の高級鮨業態は異常なほどお値段が高いお店が出てきていて、1人5万円以上するようなお店もざらにあったりする。
鮨さいとうはお寿司の値段だけで言うとお任せで2万円代前半くらい。
色々考えると日本を代表する寿司屋は、お値段もリーズナブル。そして、これぞ江戸前鮨!と言う王道の鮨を楽しむことができるんだ。
7ヶ月後に取れた次回の予約がもう楽しみで仕方ない。

鮨 さいとう
03-3589-4412
東京都港区六本木1-4-5 アークヒルズサウスタワー 1F

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