恵比寿くろいわで食べた8月上旬、旬の食材「鱧」の話

旬の食材。と、一言で言っても色々とある。
食材は往々にして季語として扱われるほど季節をそのまま表すものが多いけど、恵比寿くろいわは季節感を感じさせてくれる料理を提供してくれる。
もちろん、そういったお店は多々あるんだけど、その中でも恵比寿くろいわはちょっと特別だ。
季節を24節季に分けて日々変化する食材の旬を、その時々の時節に応じて設てくれる。

恵比寿くろいわの8月上旬の旬の食材

さて、今回のメインの食材は鱧。
鱧といえば夏の京料理の代名詞とも言える魚。
まだ人力で魚が運ばれていた時代、普通の魚はすぐに痛んでしまうため生命力の強い鱧が夏の暑い時期に運ばれたことから、京都人は夏に鱧を食べることになったとか。
そして、骨切りと呼ばれる小骨や骨が多くて固い鱧特有の包丁の入れ方が一般的になり、「はもの骨切り 手並みの ほどを見届けん」という句が読まれるほどになったとか。
京料理を代表する夏の風物詩の鱧を今日は存分に味わいたいと思いながらコースはスタート。

本日のお任せコース 30,000円(税サ・アルコール込みの特別コース)

風鈴の音が微かに聞こえる静かな店内でコース料理はスタート。
ウドの花からとったというお出汁。そして紫蘇の香りの一口からスタートだ。

ところてん

良き寒天と、良き水。
鮑は生の刺身、うに、オクラ。

梅雨が明けてすぐのこの時期。やっときた夏を楽しむ一品だ。

鯖鮨

脂よりも爽やかさを味わうためのお寿司。
サバは爽やかで力強い。

梅と共に炊き上げた穴子は塩が強くてグッとくる旨味。

万願寺唐辛子の香りで頂く鮎

いつもの倍ほど焼いたという鮎は、かなり甘い万願寺唐辛子の出汁のおかげかな。

生牡蠣

表面にだけ手を入れたという生牡蠣はきゅうり下ろしと一緒に。

鱧の焼き霜造り

鱧は定番の焼き霜造りでさっぱりと。

 

白薩摩器

島らっきょう
白瓜
生のカボチャ
レンコン
夏のかも
小芋 衣被
エゴマ味噌

賀茂那須

炭の中に30分入れて焼き上げた賀茂那須はトロ鰻とともに。

トロ鰻が本当に口の中でとろける。茄子も美味だ。

八寸

無病催促。6つの瓢箪で無病
小豆を敷き詰めて、邪気払いの意味を込めて。お盆も絡めながら海の幸、山の幸といった幸にも感謝する。

カマスの西京焼き、冬瓜、キュウリの花。
とうもろこしの摺流し、温泉卵の黄身の味噌漬け、ホヤ、うどの花、鶴紫とサザエの肝、葉唐辛子 木胡椒雑魚。

今日の不味いものシリーズ

世の中はうまいもので溢れているので、不味いものを食べよう。というこの企画。
冷たいお汁粉とお水のゼリーをさつま芋で仕上げた一品。

煮えばな

まずは煮えばな。
炊き立てのお米からご飯に変化する頃の煮え上がった状態が煮えばな。まずは煮えばなを食べて、変化する様子を楽しむのが土鍋で炊いたご飯の楽しみの一つ。

漬物と飛騨高山で取れる大きいサイズのなめこと共に。

カツオのたたき丼

カツオ自体のカツオらしさの旨味がしっかり感じられるカツオと鰹節のカツオ丼。

 

当然美味だ。

虎魚と豆腐

ご飯をお代わりして、虎魚と豆腐。

とうもろこしの炊き込みご飯

丁寧に切り取られたとうもろこしの炊き込みご飯。もちろん甘味は抜群。

賀茂茄子のすき焼き

賀茂那須のすき焼き風をお米と合わせて。

最後はお茶とお菓子

〆は一人一つずつお菓子をてって店主の黒岩さんに抹茶を立ててもらうスタイル。

恵比寿くろいわ

四季折々の料理を楽しめます。と、うたっているお店は数多くあるけど、恵比寿くろいわほど四季を鮮烈に感じさせてくれるお店はそうそう多くないはず。
料理はもちろん、器や店内の飾り。設。そして一品一品から感じられるストーリーや意味がちゃんと込められて料理が出てくる。
しっかりと丁寧な仕事をしつつ、塩や醤油も極力使わず、素材の味わいをしっかりと引き出すような引き算の和食をそのまま絵に描いたようなお店。

また料理以外にも、器、歴史、文化といったことに造詣が深い黒岩さん。伺うと毎回何かを教わって来れる感覚も実に嬉しい。
次回の定期訪問が早くも楽しくなるお店だ。
ちなみに恵比寿くろいわ。店名の前につく地名はその土地に感謝するという意味を込めて、自分の名前より前に地名をつけたとのことだ。
ビジネスに染まった薄汚い僕からすると、地名がついてると検索で上がりやすくなるからなんて考えちゃうけど、なんだかそんな思考が恥ずかしくなった。
そんな夜。

恵比寿 くろいわ
03-5793-9618
東京都渋谷区恵比寿4-11-12
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13186582/

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